2024 09.19
株式会社Scalehack

複数のサービスを1つの世界観で統一するためのコーポレートブランディングとWEBサイト展開

インタビュー

SEESAWは新規事業開発やブランディングに必要なあらゆるフェーズに伴走したデザインの設計/制作ブランディングを提供しています。
今回、ブランディングワークショップからコーポレートブランディングまで一気通貫で伴走させていただいた株式会社Scalehack代表の倉田丈寛さんに、弊社代表の村越とアートディレクターの宮本がお話を伺いました。

はじめに

ー株式会社Scalehackの会社・事業概要を教えてください。

倉田:株式会社Scalehackは株式会社Relicホールディングスの戦略子会社で、新規事業開発における10→100フェーズに特化し、スケールアップを支援する会社になります。立ち上がった事業を10→100フェーズで成長、拡大、スケールアップさせていく際に、事業やサービスをどのように成長させるかという営業課題を解決する「Scalehack for Sales」、より多くの人にサービスやプロダクトを知ってもらうためのマーケティング課題を解決する「Scalehack for Marketing」、WEBサービスの保守運用に関するエンジニアリング課題を解決する「Scalehack for Engineering」、成長するほど増える煩雑な業務を効率化したいという課題を解決する「Scalehack for Operation」の4つのサービスを提供しています。

ー4つのサービスごとにターゲットが異なり、コーポレートブランディングの面においてハンドリングが難しいのではと感じたのですが、そのような課題は抱えていましたか?

倉田:そこはすごく課題として感じていました。総合支援会社として大義ある事業をスケールアップし、日本を支える中核事業をたくさん生み出すという思いがScalehackにはあったのですが、それぞれのサービスに従事するメンバーやお客様から個別で見られるケースが多くありました。セールスであれば営業支援会社や営業BPO会社と見られ、マーケターであれば広告を運用する会社と見られる。エンジニアであればSESや保守運用、BPOを適用する会社と見られており、Scalehackがどこを目指しているのかというビジョンや方針について、メンバーとの乖離があり難しいと感じていました。当然、お客様に対しても4つのサービスがあるからこその総合力が伝わらない場合もあったため、その辺りをどのようにお客様やメンバーに伝えていくかは課題だと感じていました。

ー違うペルソナ、違うターゲット、違う業種を束ねるブランドの作り方に課題を感じていたと思うのですが、SEESAWにブランディングをお願いしようと思った経緯は何ですか?

倉田:ブランディングをしっかりとしたいと考えていたものの、会社自体としても2期目の会社(※2023年インタビュー時)のため、ブランディングよりコーポレートサイトを作りたいという思いが当時は先行していました。様々な会社に相談したところ、WEB制作会社ではWEBサイト制作のみの提案でしたが、SEESAWの場合はWEB制作の前にビジョンやミッション、サービスビジョンを言語化してからWEBサイトを構築しませんかという提案をいただき、Scalehackが抱えていた課題を解決する道筋になったところがあり、お願いしました。具体的には現場メンバーを巻き込んだブランディングのワークショップから始めませんか?という提案がまさに当時のScalehackの課題や事業フェーズにあった最適な提案でした。

村越:まさに、そのような課題を感じていらっしゃるのかなと考えていました。あくまでWEBサイトを作るのは数あるブランディング活動のある種末端の行為のため、ドメインやターゲットがバラバラな4つのサービスをScalehackのビジョンに向かってまとめ、それを整理した上でビジュアルに落とす提案がベストだと考え、このようにさせていただきました。

ブランディングワークショップについて

ーブランディングワークショップはどのように行いましたか?

村越:まず4つのサービスそれぞれの機能的価値、情緒的価値を皆さんとワークショップをしながら導き出し、1つのブランドビジョンの言葉に変換しました。そして4つのサービスの機能的/情緒的価値のワードを合体してScalehackの価値を決め、それをさらにビジョン、ミッションと階層を上げるという作業を行いました。

ホワイトボードツールを用いてのブランディングワークショップ
ブランディングワークショップで導き出したScalehackのブランドストラクチャ

ーブランディングワークショップの感想はありますか?

倉田:このワークショップを通じて、Scalehackという会社に対する考え方や思いがとても変わりました。元々私自身が、Relicホールディングスの取締役の立場で、Relicグループの10→100のフェーズにおけるファンクションを作ろうという思いで戦略子会社のScalehackを立ち上げました。そのため、Relicグループに最適なScalehackという会社をどう作るかという考えが強かったんです。しかしこのワークショップで、Scalehackとしてどのようなミッションやビジョンを実現したいのか各メンバーと議論したことで、私自身がScalehack単体でどのようなことを実現したいのか、どのように成長させるかというところに向き合えました。結果、Relicグループとしてではなく、Scalehack自体をこのような会社にしていきたいという思いに変化しました。

村越:倉田さんと一緒にワークショップを行った印象は、メンバーが色々拡散しつつも、言語化の部分で倉田さんがオーナーシップを持って前に出ながら決めている感じがしました。メンバーにもどう思うか聞きながら進行していたため、メンバーと倉田さんのイメージのすり合わせができ、解像度がより上がったのではと思います。

倉田:メンバーの変化もとても大きかったと思います。会社を創業して間もないタイミングは大変なことも沢山あり、メンバーが苦労しながらも一緒に会社を作っていくことを、ワークショップを通してしっかり体験出来たと思っております。目の前の業務だけでなく、会社として目指すミッションやビジョンを現場のメンバーも交えて作ったため、メンバーからもワークショップが楽しかった、一緒に会社を作っている感じがしてモチベーション上がりました、等の声を聞きました。

村越:Scalehackには元々ミッションやビジョンがあり、元のミッションやビジョンを変えないなら変えないでも良いかもとスタートしました。最終的には微妙に改変するという形に至ったのですが、以前に比べより解像度が上がっているかと思います。元々大事にしていた「ハックする」という言葉が、「エコシステムを生み出す」という言葉や、対象が「人と事業の成長」といったワードで具体化されたことにより、より明確になったと思います。

制作について

ー完成したコーポレートサイトに関してどう感じましたか?

倉田:デザイン的な点では、最新のトレンドやビジネスデザイン的な知見を基に細部までこだわったモダンなWEBサイトに仕上がったなというのが全体的な印象です。ファーストビューに使用しているアニメーションに関しても、ミッションの「多様性」というキーワードや、ビジョンの「ハック」というキーワードを元に表現されたクリエイティブだと感じました。
メンバーからの評判も良く、海外のスタートアップ感があり革新的な会社になりそうですねという声や、ワクワクするというような声もありました。かっこいいという声もすごく聞きます。

ブランディングワークショップで導き出したワードを基にリファレンスですり合わせ
WEBサイトデザイン初回提案の一部
完成したScalehackのコーポレートサイトの一部

倉田:WEBサイト構成の点では、今後新しいサービスが増えたり、既存サービスの見せ方を変えるなど流動的に変わる予定があるため、それに合わせた中長期的に運用できるWEBサイト構成になっていると思います。サービスや会社の方向性が固まらないと綺麗なWEBサイトは作れないんだと思っていたのですが、0→1フェーズのScalehackに合わせた構成にしてもらったのは拡張性があるなと思いました。

宮本:Scalehackの事業フェーズを考えると、WEBサイト自体もこれからどんどん改築していくのだろうと制作時に考えていました。シンプルで構成が整理されているデザインを作れば、今後改築を重ねても破綻しづらいかと考えて制作しました。結果、拡張性があるサイトが制作できてよかったです。

ーScalehackのトーン&マナーをまとめたブランドガイドライン、および準拠して制作した「Scalehack for Engineering」「Scalehack for Operation」「CodeStep」「Bullpen」などのLPはいかがでしたか?

倉田:制作時、サイト制作と並行しながらサービスの内容もブラッシュアップされるケースもありました。Scalehackのブランドガイドラインやトーン&マナーがあるからこそ、Scalehackのコアな部分は残しつつ、そのサービス内でどのような提供価値や表現をするのかという部分を考えやすくなったと思います。

宮本:それぞれ少しずつ違うけど、Scalehackの傘下であると分かるクリエイティブになったと思います。Scalehackの価値を言語化しブランドガイドラインに落とし込めたのは、制作サイドとしても今後複数のサイトを制作する上で良かったと思います。

倉田:ブランドガイドラインをスライドフォーマットとして使えるように制作してもらったため、新サービスの営業資料を作る際に、このブランドガイドラインに合わせてスライドを作ったりしています。会社概要資料も提案資料も全てこのフォーマットを基に資料を作ったり、基本的にこの軸で作っています。

その後制作した「Scalehack for Engineering」「Scalehack for Operation」「CodeStep」「Bullpen」のLP
提案資料の雛形としても使用できるブランドガイドライン

その後の成果について

ーコーポレートサイトリニューアル後、どのような成果がありましたか?

倉田:Scalehackの事業領域は表面的にはなかなか差別化しづらいため、WEBサイトの見せ方や事例の豊富さで我々の強みをしっかりとダイレクトに伝えるというところが重要だと考えています。今回のリニューアルで事例ページを設け検索ができる仕様にしたため、特に見られており成果に直結してきていると思います。また、採用にも効果が出たと感じています。応募者は当然コーポレートサイトも見るじゃないですか。コーポレートサイトで、Scalehackは何を目指してるのか、どのようなメンバーがいるかを把握でき、かっこいい会社、モダンなスタートアップの会社という印象も与えられていると思います。結果、本来であればこの事業フェーズでは取れない人たちも採用できているという印象です。我々の価値が伝わるサイトになっているため、提携のしやすさも向上しています。

倉田:WEBサイトの構成が会社概要を全部一通り説明できる構成になっているため、最近はコーポレートサイトで会社概要などを説明してるメンバーもいます。事例もあり、サービスページもあり、メンバー紹介もあり、営業資料よりも説明しやすいようで、WEBサイトがある意味プレゼン資料の役割を果たせています。

最後に

ーブランディングワークショップから制作までを通して、1番印象に残ったことや感じたことは何ですか?

倉田:元々は、コーポレートサイトを新しく作るところが起点ではありました。しかし、この一連のプロセスを通じてサービスコンセプトが固まったり、メンバーへのモチベーションアップに繋がる取り組みができたりなど、なんとなく僕やメンバーが考えていたことが全て統合されたと思えます。最終的に1つのコーポレートサイトに表現され、すごく会社がまとまったと感じました。2期目(※2023年インタビュー時)の会社として、このプロセスを通して統一されたという部分は感想としてあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。SEESAWでは、ブランディングワークショップなどを通してブランド戦略を策定し、最終アウトプットまで伴走することが可能です。コーポレートブランディングやリブランディングを行いたいと感じている方はぜひご相談ください。

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