2023 09.21
株式会社TRULY

CLIENT INTERVIEW 01 新規事業のリブランディングに求められることは?

インタビュー

今回、弊社が手がけたリブランディングについて、株式会社TRULY代表の二宮未摩子さんと、弊社代表の村越にお話を伺いました。

はじめに

ー現在運営されているサービスの概要を教えてください。

二宮:「TRULY」はフェムテックという分野の中でも、更年期にフォーカスしているサービスです。 「閉ざされた悩みに向き合い、男女が理解し合える社会へ」というミッションのもとで、男女の更年期の悩みに寄り添い、toC向けの記事メディアと、toBの福利厚生でチャット相談サービスも展開しています。 妊活サポートとか生理の不調をケアするようなサービスが増えている中で、更年期はいまだにタブーのように扱われる風潮も強く、サービスがまだまだ生まれてきていないところに課題を感じていました。そんな更年期が持っているネガティブなイメージを変えていきたいと思いスタートしました。

ーどのような課題を感じてそのサービスのリブランディングに踏み切ったのですか?

二宮:元々、TRULYは女性向けの更年期をテーマにしたメディアやチャット相談のサービスでした。「信じられる美しさを」というスローガンのもと、ロゴも大人っぽい女性的なイメージに振っていたんです。ですが、更年期は女性だけではなく男性にもあって、男女のパートナーシップにとても影響する課題だとわかり、「男女の相互理解」をゴールにサービスを変えていくことにしました。そのため、女性だけでなく男性にも受け入れやすい世界観を作る必要が生まれ、リブランディングを検討することにしました。

リブランディング前のロゴデザイン

ーなぜSEESAWにリブランディングをお願いしたのですか。

二宮:SEESAWは事業の立ち上げの戦略立案の頃から並走してくれていて、以前からデザインを担当してもらっていました。今回は、SEESAWとは別のチームがリブランディングのプロジェクトを進めてくれていたのですが、自分が思い描いていたものとうまく一致させることができていませんでした。TRULYを深く理解してくれていて、かつ自分と目線も合っているチームでないとリブランディングは難しいと判断して、改めてSEESAWにお願いすることにしました。SEESAWが提案してくれたロゴはどれにしようか悩むぐらいどれも本当に良くて。ロゴと同時にサービスのUIデザインもお願いしたかったのでそこも一貫してやってもらえたのも助かりました。

ロゴデザインについて

ークライアントの要望に対してどのようなコンセプトでデザインをしましたか?

村越:男女ともにターゲットとなると必然的にシンプルで、ユニセックスな書体をベースに作るべきだろうと考えていました。かつ、「男女の相互理解」がテーマだったので、シンプルな中にも男性的要素と女性的要素をどうすれば1つのロゴに融合させることができるか?という点に絞ってコンセプトを考えていきました。

デザインラフの一部

村越:まず、たくさんの書体の中から、シンプルでユニセックスなものを洗い出し、それをベースに、男性的要素と女性的要素が組み合わされるようにロゴタイプを作字していきました。例えば「太いライン」と「細いライン」が同居された文字にしてみたり、「角」と「円弧」が1つの文字に両方使われるフォルムを模索したり。とにかく、属性の違う2つの要素を組み合わせてロゴタイプを作る。という考え方のもと、案を作成していきました。

初回ロゴデザイン提案一覧

二宮:SEESAWと密にディスカッションをしながら検証を進める中で、Bの方向性が良いねという話になっていきました。B案は「T」や「Y」の文字に2つのラインが交わるような表現が入っていんです。最初はファッション感を出していきたいと思っていたので、ロゴタイプのみでシンボルマークはなしのデザインをメインで検討していたのですが、ITサービスとしてシンボルマークはやっぱり必要だろうという判断に至り、D案のTの要素をシンボルマークにして、ロゴタイプはB案のタイプでブラッシュアップしてもらうことにしました。

村越:色の検証もかなり細かく行いました。男女が混ざり合うニュアンスを生み出すために、グラデーションをベースに考えていました。どうしてもピンクにすると女性っぽく、ブルーにすると男性っぽくみられたりすることが多いので、ニュートラルな印象のあるカラーを中心にアイデアを出していきました。

色検討 一覧

二宮:色に関しては、大人っぽさとスタイリッシュなイメージを目指したかったので、ベージュのものがゴールド感があって上質な雰囲気が良いなと思いました。色は、割とすぐに決まりましたね。

「シンボルマークの太さ」と「Rのフォルム」の比較

村越:そこまで決まった後は、微妙な太さとかの検証になっていきました。「シンボルマークの太さ」と「Rの空き具合」を検証しました。「シンボルマークの太さ」に関しては、細すぎると女性的すぎるし、太すぎると男性的すぎるので、両方バランスよくなるものを選んでいき、現在のバランスに落ち着いたという形ですね。

リブランディング後のロゴデザイン

UIデザインについて

ーリブランディングにあたって行ったUIデザインの刷新について教えてください。

村越: 元々のデザインは、記事を読ませたかったのでピックアップ記事をファーストビューに設定してありました。メディアとしての機能を優先するのであればこれが定石ですが、「男女の相互理解」というマインドを伝え、更年期をポジティブに変えていくためにはまずTRULYが大切にしている世界観をユーザーに共感してもらうことが大切でした。そこであえてピックアップ記事ではなく、キービジュアルとメッセージをファーストビューに押し出すことにしたんです。 その際にたくさんの写真をピックアップしてどのカットがTRULYの世界観を体現しているのか?を議論していきました。

サービスサイトのビフォーアフター

二宮:写真はすぐに選ぶことができました!更年期を耐えるのではなくて、変化をチャンスなんだと伝えたかったので、自然な笑顔で日常を切り取ったようなものを選びました。

ファーストビューのキービジュアル一覧

村越:この選んでもらった写真が、ムードボードの代わりになりました。ムードボードの作成は、ブランディングでよくやるワークです。MISSIONやVISIONなどのブランドアイデンティティの言語化の後に、それに相応しい写真を選んでおくことで世界観や方向性をチームや企業で共有することができます。

SEESAWの仕事のしかたについて

ー今回のプロジェクトで、特にSEESAWらしさを発揮した部分はありましたか?

村越:今回はクイックにローンチすることが求められていたので、創業者が既にユーザーや市場の声を熟知しているという前提の元、SEESAWチームは二宮さんの声に耳を傾けることを最重要視しました。マーケティング戦略に沿って時間をかけてブランドを設計していくこともできますが、新規事業開発においては、スピード感を持って創業者のwillとユーザーのwillの接点を探していく必要があります。リーンに開発とブランドの設計ができるのは、UXデザインとブランディングの両方を知っているSEESAWならではだと思います。

ーデザインをみた結果どのように感じましたか?

二宮:固まってくまでの2ヶ月間は安心して進められて、デザインも順調に決めることができてスムーズにリリースを迎えたのを覚えています。リブランディングしてから1年近く経ちますが、後々から気になる部分などが全くなく、迷いのない納得感の強いものになりました。すごく満足しています。

最後に

ー最後に全体を通して感じたことがあれば教えてください。

村越:今回のリブランディングを通して、スタートアップや新規事業開発は、デザイナーが創業者の志に解像度を持ってよりそえるか、ということがすごく大事だと再認識しました。ビジネスモデルや事業ドメインがいいとか悪いとかという議論はもちろんあるのですが、最終的にはデザイナーも創業者のビジョンを一緒に信じて走り切ることができるか?ということがプロジェクト成功の鍵だと思います。

二宮:このプロジェクトは4・5年とかの壮大なものになってるし、 それが今のメンバーで変わらずに続けられてることで、信頼とか安心が大事なんだなと感じました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。SEESAWでは、UIUXだけでなく、ブランディングの視点を持ちながら新規事業開発に伴走することが可能です。機能だけではなく、ブランドイメージもセットで強みを作っていきたいと感じている方はぜひご相談ください。

お問い合わせ

新規事業開発やブランディングのご依頼はこちら

無料

UIUXデザインやブランドデザインの
お役立ち資料を無料でご活用いただけます