SEESAWは新規事業開発やブランディングに必要な、あらゆるフェーズに伴走したデザインの設計/制作ブランディングを提供しています。今回は、ロゴとLPデザイン制作に伴走させていただいたRelic SQUARE事業責任者の中村 秀造さんに、弊社アートディレクターの山口がお話を伺いました。
依頼背景
ーはじめに、SEESAWへのご依頼の背景をお聞かせください。
中村:私が所属しているRelicという会社で、リアルの場を活用した事業を展開することとなったので、そのロゴとLPを作成するためSEESAWさんにご相談させていただきました。
SEESAWさんとはこれまでの取引関係や実績が多数あったので、頼みやすかったというのが1番でした。お任せしておけば間違いないという思いが根底にあり、まず最初に相談させていただきました。
ーRelicはどのような事業を展開している会社ですか?
中村:Relicは新規事業だけを行う、すごくユニークで唯一無二な会社です。人によって表現の仕方は変わるんですが、私は新規事業の総合商社のような会社だと思っていて。アイデアを作る川上からグロースを支援する川下まで新規事業に関する全ての領域を網羅し、伴走支援できるプロフェッショナル集団だと思っています。
Relicでは新規事業の伴走支援を行っていましたが、お客様と場所を共有して一緒に事業を行うということはありませんでした。かねてよりお客様とリアルで触れ合ったり、お客様同士がリアルで触れ合ったり、あるいはスタートアップがステップアップするために活用いただける「場」を持ちたいと考えていて、Relic SQUAREをスタートさせました。
ーRelic SQUAREは、Relicのバリューを最大限に生かしながら空間的な支援を掛け合わせた事業なんですね。
中村:そうですね。これまでのおよそ9年間、新規事業の伴走支援などを様々な企業様にしている中で「場」の利活用を求める声をよく聞いていました。スタートアップ企業のオフィスを持ちたいというニーズや、新規事業を行う大企業の本社から切り離した出島環境を欲している需要に触れる機会が増えたため、「場作り」というものを検討し始めた経緯があります。
メインブランドの文脈に沿ったロゴデザイン
ー完成したロゴデザインはどうでしたか。
中村:シンプルに最高のデザインをいただいたなと思っています。 見た瞬間にこれだと思うようなデザインでした。
このデザインの良いところは色々な意味が込められているところです。Relicロゴを元にして奥にも縦にも横にも広がった奥行きのあるマークになったことで「場」的なことが表現されていますし、コーポレートカラーも散りばめていることでRelicらしさも宿っています。視認性もいいですし。すべてが綺麗にまとまっているロゴになったなと思っています。
山口:ありがとうございます。このコーポレートカラーはRelicブランドのこれからを表現したものだとお伺いしました。
中村:そうですね。冷静のワイズネイビーと、情熱や泥臭さを表現するパッションブラウン。 大志に狂い続けるいいヤバさを表現したクレイジーピンクがブランドカラーになっています。
ー制作されたロゴはRelicのロゴマークを受け継ぎつつも、新規事業のRelic SQUAREのコンセプトが掛け合わされています。このロゴデザインはどのように制作しましたか?
山口:Relicロゴは過去にSEESAWが手がけたのですが、ロゴマークにはそもそも空間のニュアンスが込められているんです。「事業を共創するプラットフォームを形成する」という意味ですね。なので、どうしたらこのRelicロゴに込められた意味と、空間的な支援というRelic SQUAREのコンセプトを結びつけられるだろうと考えていったのが最初でした。
ラフを描いていく中で、ふとRelicのロゴマークであるかぎ括弧の四角形を立体にしてみるとどうだろうと考えました。Relicの事業姿勢を受け継ぎつつ、空間的な支援によって起業家や事業家を支えていく、Relic SQUAREの事業姿勢もそこに見出せるんじゃないかと。今の案が思い浮かんだとき、これだ!と自分の中で確信しましたね。
山口:現行の案への確信がありつつも、他の可能性を全部潰すという意味で異なる案もたくさん作りました。でも僕の中ではこの案の直感的に感じた良さをクライアントにも分かってもらえると嬉しいなと思いながら進めていました。
中村:確かに何パターンかありましたね。吹き出しが回転してるようなものや、ハンググライダーのものがあったりとか。ただ自分は一目見てもうこれだなって。社内に共有する際も、ロゴのコンセプトがイメージしやすいように3Dモデリングで表現していただいたりと、視覚的にすごくインパクトのある形で納品いただいたので、「ロゴかっこいいですね」とポジティブに言ってもらえました。
サービスの提供価値を過不足なく伝えたLPデザイン
ーLPデザインについてはどうでしたか。
中村:初回提案時、白系と黒系の2案を出していただいたかと思いますが、意見が分かれる2案が出てきたのが素晴らしいポイントだなと思っています。それは、ベースがしっかりしてるからだと思うんですよね。コアメッセージを整えて、それをベースとしたアウトプットが2案出ているので、両方ともいいものだったというのがすごいなと思っています。
今採用されている案は、両サイドが暗がりで真ん中に光が当たっているような表現が特に良くて。かっこよく仕上がったなという良い驚きがありました。
中村:またLPが出来上がるまでの、Relic SQUAREのコアメッセージを何にするかや、コアバリューを何に定めるかといった事業のより根本の部分から入っていただいていたので、アウトプットに寸分のずれがないという感覚がありました。LPデザインの出来上がりについては無論満足しています。それ以上に、LPが出来上がるまでの過程にすごく満足感を感じました。
山口:ありがとうございます。要件を伺う中でRelic SQUAREはただのシェアオフィスじゃないと感じました。なのでLPを作るにあたり、どのようなターゲットに何の価値を提供するのか中村さんやRelic代表の北嶋さんにお伺いしながら整理していきました。こういったことは普段Relic社内ではやらない作業ですか?
中村:いえ、私の方ではマインドマップを使い何をコアメッセージにしよう、それをどう集約しようということは思考していました。その上で今回壁打ちをさせていただいたことでより深い示唆が得られたと思っています。あとは、そうしてまとめた内容をどのくらいの分量でLPに入れるのか、そういうチューニングをプロの目線で指南いただけたということにすごく価値を感じました。
ーLPデザインで注力したポイントはありましたか。
山口:作ったロゴを最大限に活かしたキービジュアルにしようと最初に決めていました。Relic SQUAREロゴのコンセプト自体がRelicロゴが動いて立体的に見えるという時間軸を必須とするコンセプトなんです。ロゴが回転してオープニングを飾ったらいいサイトになるだろうという確信のもと、そのロゴのモーションが最大限引き立つよう注力してキービジュアルを作っていきました。
プロジェクトを振り返って
ー今回のプロジェクトで1番印象に残ったことや感じたことは何ですか?
中村:表現はもちろん、1番印象に残ったのは構想をまとめるロジカルさでした。SEESAWさんが大切にしてる表現力と論理性のマリアージュを感じましたね。デザインだけを受ける会社はもう無数にあると思うのですが、クライアントさえ気づいていない課題や伝えたいメッセージに気づいて、それを拾いあげてストーリーを組み立ててくれる。御用聞きではなく「もっとこうしたらいいんじゃないですか?」という提案に、他社にはない付加価値を感じられました。
山口:ありがとうございます。僕としてもメインブランドのロゴを受け継ぎつつ、サブブランドのロゴを展開するというのは初めての挑戦でした。色や書体を近づけるのは簡単ですが、そうではなくブランドの強みや特徴を理解した上で、込められた意味に関連性を持たせたいと考えました。結果的には意味的にも表現的にも強い、いいロゴとLPデザインを展開できたと思います。
改めて、与件をもとにただ見た目をデザインするだけではなく、込められた想いや背景にフォーカスすることが重要だと再認識できました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。SEESAWでは、ブランドの強みや特徴を汲んだロゴ制作やLPデザイン制作が可能です。メインブランドの世界観を保ちながらサブブランドをどう展開していくかに課題を感じている方はぜひご相談ください。